「お薬は冷蔵庫に入れておけば安心長持ちする」
そう思って、病院や薬局でもらった錠剤やカプセルをとりあえず冷蔵庫に入れて保管していませんか?
あるいは、毎日の出し入れが便利だからと、洗面所やキッチンの上に薬を置きっぱなしにしていませんか?
実は、調剤薬局の窓口で患者さまのお話を伺うと、「良かれと思ってやっていた保管方法が、実はお薬の品質を著しく低下させていた」というケースが非常に多く見受けられます。
お薬はデリケートな化学物質であり、温度や湿度、光(紫外線)の影響を強く受けます。
特に冷蔵庫での保管は、出し入れ時の急激な温度差によって湿気が水滴となる「結露」を引き起こし、錠剤がボロボロに崩れたり、カプセルが溶けてくっついたり、有効成分が分解してしまう大きな原因となります。
今回は、意外と知られていない「室温保存」の本当の温度、やってはいけないNGな保管場所、そして一包化されたお薬を最後まで安全に飲み切るための保管ルールについて、福岡市南区三宅ののばら薬局が詳しく解説します。
1. なぜ「とりあえず冷蔵庫」が危険なのか?結露の恐怖
多くの食品は冷蔵庫で長持ちしますが、一般的な飲み薬にとって冷蔵庫は決して良い環境ではありません。
① 出し入れ時の「結露」がお薬を湿気らせる
冷えたペットボトルを部屋に置くと、表面に水滴がつきます。
これと同じ現象(結露)が、冷蔵庫から薬を取り出した瞬間に薬のシートの内側や薬の表面で発生します。
錠剤や粉薬、カプセルは湿気に弱く作られているため、結露を吸い込むだけで以下のような劣化が起こります。
* 錠剤が湿気を吸って膨らみ、粉々に崩れてしまう
* カプセル同士がベタベタとくっつき、中身が漏れ出す
* アスピリンなどのお薬は加水分解を起こし、胃腸障害の副作用が出やすくなる
② 冷蔵庫保管が必須な「冷所保存」のお薬とは?
もちろん、すべてのお薬が冷蔵庫NGというわけではありません。
説明書や薬袋に「冷所保存(1〜15℃)」と指定されているお薬は、必ず冷蔵庫で保管してください。
* 未開封のインスリン製剤
* 一部の目薬(点眼薬)
* 一部の坐剤(体温で溶ける性質があるため)
* 水で溶かした後の抗生物質シロップ
これら以外で「室温保存」と書かれている錠剤やカプセル、粉薬は、冷蔵庫に入れず室温で保管するのが大原則です。
2. 法律上の「室温」は何℃?やってはいけないNGな保管場所
お薬の説明書に書かれている「室温保存」とは、具体的に何℃を指すかご存じでしょうか。
日本の薬の基準書である日本薬局方では、「室温」は1〜30℃と定義されています。
つまり、30℃を超えない範囲であれば、お部屋の中で保管するのが最も品質を保ちやすいのです。
ただし、室内であっても以下の3つの場所は絶対に避けてください。
① 洗面所・お風呂場の近く(高湿度)
洗面台の鏡裏ラックにお薬を置いている方が多くいらっしゃいますが、洗面所周辺は家の中で最も湿度が高い場所です。
湿気がシートの隙間から侵入し、お薬の変質を早めます。
② キッチンのコンロ周辺・家電の上(高温多湿)
キッチンは熱気や蒸気が発生し、局所的に30℃を超える高温多湿環境になりやすい場所です。
特に電子レンジや炊飯器、冷蔵庫の上などは家電の放熱があるため避けてください。
③ 窓際・直射日光が当たる場所・車の中(熱と光)
直射日光の紫外線はお薬の成分を分解し、効果を低下させます。
また、晴れた日の車内は短時間で高温に達するため、車内放置は厳禁です。
3. 「一包化」のお薬は特に湿気に注意!
当薬局でも多くの患者さまにご利用いただいている「一包化(朝・昼・夕など1回分ずつ袋にまとめる調剤)」。
実は、シートから取り出された一包化のお薬は、外気(湿気や光)の影響をはるかに受けやすくなっています。
一包化のお薬を安全に保つ工夫
一包化されたお薬を保管する際は、以下の工夫を取り入れましょう。
* 缶や密閉できるチャック付き袋にまとめる:もらった紙袋のまま放置せず、密閉できる容器に移し替えます。
* 乾燥剤(シリカゲル)を一緒に入れる:密閉容器に乾燥剤を一緒に入れておくと、湿気からお薬を守れます。
* 光を遮る引き出しや箱にしまう:透明な容器ではなく、光を遮る引き出しや缶の中で保管しましょう。
なお、瓶入りの薬を開けたときに入っている「ビニールや綿」は輸送時の破損防止クッションです。湿気を吸いやすいため、開封後は捨ててください。
4. 福岡市南区三宅の「のばら薬局」にご相談ください
「何年も前の薬が引き出しから出てきたけれど飲める?」「この目薬の保管場所は?」など、お薬の保管方法や使用期限に迷ったら、福岡市南区三宅の「のばら薬局」へお気軽にご相談ください。
当薬局では、ご自宅に眠っているお薬をお持ちいただき、薬剤師が使えるものと処分すべきものを仕分ける「残薬整理サポート」を行っております。
また、公式LINEからお薬の写真を送っていただければ、「このお薬は室温で大丈夫か」といったご質問にもお答えいたします。
店舗には無料駐車場(4台完備)や、どなたでもご利用いただける血圧測定機器もございます。お薬の安全な管理について、かかりつけ薬局として皆さまの健康をしっかりサポートいたします。


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