朝晩の冷え込みが本格化してまいりました。
一日の疲れを癒やすため、熱い湯船にゆっくり浸かるのが毎晩の楽しみという方も多いのではないでしょうか。
しかし、この心地よい入浴の裏で、毎年10月下旬頃から急激に事故リスクが高まる危険な現象があります。それが「ヒートショック」です。
「ヒートショックは真冬(1月〜2月)に起きるものじゃないの?」と思われるかもしれません。
実は、体がまだ寒さに慣れていない10月下旬から11月にかけての「初冬への変わり目」こそ、油断から脱衣所や浴室の防寒対策がおろそかになり、急激な血圧の乱高下によって心筋梗塞や脳卒中、浴槽内での失神・溺水事故を起こしてしまう方が急増する危険な季節なのです。
特に高血圧や心臓病の持病をお持ちの方、血圧を下げるお薬(降圧薬)を服用されている方は、お薬の作用と温熱効果が重なることで思わぬ立ちくらみや転倒を起こすリスクがあります。
今回は、なぜ10月下旬からヒートショックが起きやすいのか、血圧が乱高下するメカニズム、降圧薬を飲んでいる方の注意点、そして今日からできる5つの予防習慣について、詳しく解説します。
1. なぜ10月下旬から危険?ヒートショックが起きる血圧のメカニズム
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が短時間で激しく上下に乱高下し、心臓や脳、血管に過度な負担がかかる現象です。
入浴時には、以下のような「3段階の血圧急変動」が起きています。
① 寒い脱衣所・浴室(血圧が急上昇)
暖かいリビングから冷え切った脱衣所に移動して衣服を脱ぐと、皮膚の血管が熱を逃がさないようにキュッと急激に収縮します。これにより血圧が跳ね上がります。
② 熱い湯船に入る瞬間(さらに血圧が上昇)
冷えた体のまま41度〜42度以上の熱い湯に入ると、身体への強い温熱刺激により、血圧がもう一段階急上昇します。このタイミングで脳出血や心筋梗塞のリスクがピークに達します。
③ 湯船で温まる〜立ち上がる時(血圧が急低下)
湯船に浸かって体が温まると、今度は全身の血管が大きく広がり、血圧が一気に急降下します。
血圧が下がりすぎると脳に十分な血液が送られなくなり、意識を失って浴槽内で溺れたり、立ち上がった瞬間に激しい立ちくらみ(起立性低血圧)を起こして洗い場に倒れ込む危険があります。
2. 要注意!降圧薬(血圧の薬)を飲んでいる方の落とし穴
高血圧の治療で病院から降圧薬(カルシウム拮抗薬や利尿薬、血管拡張作用のあるお薬など)を処方されている方は、特に注意が必要です。
入浴による血管拡張と「降圧薬」の相乗効果
お薬によって日頃から血圧がしっかりコントロールされている方ほど、湯船に浸かって全身の血管が広がった際に、血圧が下がりすぎてしまう(過度な降圧)傾向があります。
特に「お風呂から上がる時」にフワッと目の前が暗くなったり、足元がふらついたりする症状が出やすいため、浴槽から出る時は手すりやフチをつかみ、ゆっくり立ち上がる習慣を徹底しましょう。
3. 命を守る!秋のお風呂「5つのヒートショック予防習慣」
家庭での入浴事故を防ぐために、今日から以下の対策を実践してください。
① 脱衣所と浴室を「あらかじめ温めておく」
最も重要なのは、部屋ごとの温度差をなくすことです。脱衣所に小型ヒーターを置いたり、お風呂のフタを外して給湯したり、シャワーで浴室の壁にお湯をかけて浴室全体を温めておきましょう。
② 湯船の温度は「38度〜40度」のぬるめに設定する
熱いお湯(42度以上)は交感神経を刺激して血圧を急激に変動させます。38度〜40度のややぬるめのお湯に設定し、10〜15分程度じんわり温まるのが安全です。
③ 入浴の前後に「コップ1杯の水」を飲む
入浴中は知らず知らずのうちに約500mlもの汗をかき、血液がドロドロになりやすくなります。入浴前と入浴後に必ず水分補給を行い、かくれ脱水を防ぎましょう。
④ かけ湯をして「末端から」お湯に慣らす
いきなり湯船に入るのは厳禁です。足先や手先など、心臓から遠い部位から順にかけ湯をして、お湯の温度に体を慣らしてから静かに湯船に入りましょう。
⑤ ご家族へ声をかけてから入浴する
特にご高齢の方が入浴する際は、「今からお風呂に入るね」と声をかけ、同居するご家族も入浴後15分〜20分経っても出てこない場合は優しく声をかけるなど、見守りのルールを作りましょう。
4. 血圧やお薬のご相談はのばら薬局へ
血圧の数値は季節や室温によって大きく変動します。「涼しくなってから家庭血圧が高くなってきた」「お風呂上がりに立ちくらみがする」といった症状は、お薬の量や種類の見直しが必要なサインかもしれません。
高血圧のお薬や日頃の血圧管理について気になることがございましたら、福岡市南区三宅の「のばら薬局」へお気軽にご相談ください。
当薬局の店内には、どなたでも無料でご利用いただける高精度な血圧測定機器を常設しております。お薬のお受け取り時やお近くを通られた際など、日々の血圧チェックにぜひお役立てください。
また、店舗には無料駐車場を4台完備しておりますので、お車でのご来局もスムーズです。処方箋の事前送信や健康相談は公式LINEからも受け付けておりますので、ぜひお気軽にご活用ください。


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