10月に入り、朝晩の急な冷え込みや空気の乾燥とともに、調剤薬局の窓口で「コンコンと咳が止まらない」「喉がいがいがして痰が絡む」といったご相談が増えてきました。
長引く咳は体力を消耗し、夜も眠れず非常につらいものです。
ドラッグストアなどで市販の「咳止めシロップ」や「咳止め錠」を購入し、なんとか咳を抑えようとしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、調剤薬局の現場から強く注意を呼びかけたいのが、「痰が絡む咳を、強力な咳止め薬で無理に止めてはいけない」ということです。
実は、医学的に「咳」には大きく分けて2つの種類があり、咳の種類によって飲むべきお薬は全く異なります。
良かれと思って飲んだ咳止め薬が、かえって病状を悪化させ、気管支炎や重い肺炎の引き金になってしまうケースが少なくありません。
今回は、意外と知られていない「乾いた咳」と「湿った咳」の決定的な違い、痰を無理に止めてはいけない医学的理由、そして正しいお薬の選び方について、福岡市南区三宅ののばら薬局が詳しく解説します。
1. 咳には2種類ある!「乾いた咳」と「湿った咳」の見分け方
咳治療の第一歩は、ご自身の咳がどちらのタイプなのかを正しく見極めることです。
① 乾いた咳(乾性咳嗽:かんせいがいそう)
「コンコン」「ケンケン」といった音で、痰が出ない、あるいはほとんど絡まない乾いた咳です。
* 主な原因:風邪の初期、空気の乾燥、寒暖差アレルギー、秋の花粉症、喘息や咳喘息、一部の降圧薬(ACE阻害薬)の副作用など
* 特徴:喉の粘膜が過敏になり、冷たい空気や刺激によって咳発作が誘発されます。
② 湿った咳(湿性咳嗽:しっせいがいそう)
「ゴホゴホ」「ゼロゼロ」と胸の奥で音が鳴り、粘り気のある痰を伴う咳です。
* 主な原因:風邪の後半、急性気管支炎、肺炎、副鼻腔炎(後鼻漏:鼻水が喉に垂れ込むこと)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)など
* 特徴:気道に溜まったウイルスや細菌の死骸、異物を体外へ押し出そうとする防御反応として起こります。
2. なぜ「痰が絡む咳」を薬で無理に止めてはいけないのか?
市販薬や処方薬の多くに含まれる「中枢性鎮咳薬(コデイン類やデキストロメトルファンなど)」は、脳の延髄にある「咳中枢」に直接働きかけ、咳の反射そのものを強力にストップさせます。
乾いた咳に対しては非常に有効なお薬ですが、これを湿った咳(痰の絡む咳)に使ってしまうと大変危険です。
痰は「病原菌の死骸を外に出すゴミ袋」
痰とは、気道に入り込んだウイルスや細菌、白血球の死骸、分泌物が混ざり合ったものです。咳は、この危険な異物を気道の外へと強制排出するための、生体に欠かせない重要な防御反応です。
もし強力な咳止め薬で咳を止めてしまうと、
* 排出されるべき痰が気管や肺の奥に溜まったままになる
* 溜まった痰の中で細菌が急激に繁殖する
* 気道が塞がれて呼吸困難に陥ったり、気管支炎や肺炎へと重症化する
といった最悪の事態を招いてしまいます。
そのため、痰が絡む湿った咳には、咳を止めるのではなく「痰を出しやすくするお薬(去痰薬:きょたんやく)」を使うのが医学的な大原則です。
3. 咳止め薬(鎮咳薬)と去痰薬の正しい使い分け
薬局や病院で処方されるお薬には、役割ごとに明確な使い分けがあります。
① 去痰薬(カルボシステイン、アンブロキソールなど)
痰の粘り気をサラサラに分解したり、気道の線毛運動(異物を外へ運ぶベルトコンベアのような働き)を活性化させて、痰をスムーズに吐き出しやすくするお薬です。湿った咳の治療の中心となります。
② 鎮咳薬(咳止め薬)
脳の咳中枢を抑えて咳を止めるお薬です。痰が絡まない「乾いた咳」で夜眠れない時や、咳のしすぎで肋骨や胸が痛む時などに限定して使用されます。
なお、コデイン類などの強力な咳止め薬は、腸の動きを止めて頑固な便秘を引き起こしたり、強い眠気を招く副作用があるため、服用時は特に注意が必要です。
4. 病院を受診すべき危険な咳のサイン
咳が長引いている場合、単なる風邪ではなく別の病気が隠れている可能性があります。以下の症状がある場合は、自己判断で市販薬を続けず、速やかに内科や呼吸器内科を受診してください。
* 咳が2〜3週間以上続いている
* 黄色や緑色の濃い痰、または血が混じった痰が出る
* 息苦しさや喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー音)がある
* 高熱が続いている、または胸の痛みがある
5. 福岡市南区三宅の「のばら薬局」にご相談ください
秋の咳は、寒暖差や空気の乾燥、アレルギーなど様々な要因が複雑に絡み合って起こります。
「痰が絡んで息苦しいけれど、どの薬を飲めばいい?」「市販薬の咳止めを飲んでも良くならない」などのお悩みは、福岡市南区三宅の「のばら薬局」へお気軽にご相談ください。
当薬局では、薬剤師がお一人おひとりの咳の症状や痰の有無を丁寧に伺い、安全で適切なお薬の選択や服薬管理をアドバイスいたします。
また、咳がつらい時期は待合室での長時間の待機を避けたいものです。当薬局の「公式LINE」から事前に処方箋の写真を送信していただければ、お薬の準備ができ次第ご連絡いたしますので、スムーズにお受け取りいただけます。
無料駐車場(4台完備)や、どなたでもご利用いただける血圧測定機器もございます。地域の皆さまの健やかな毎日のため、かかりつけ薬局として親身に寄り添ってまいります。


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