季節の変わり目や週末、患者さまから頻繁にいただくご相談のひとつに、「病院で定期的に出してもらっているお薬があるけれど、急な頭痛や風邪の症状が出たので、市販の風邪薬や痛み止めを一緒に飲んでもいいですか?」というものがあります。
ドラッグストアで手軽に購入できる一般用医薬品(市販薬)ですが、現在医療機関から処方されているお薬がある場合は、自己判断での重ね飲みに十分な注意が必要です。
今回は、処方薬と市販薬を併用する際に起こりやすいトラブルと、安全に服用するための重要なポイントを詳しく解説いたします。
1. なぜ処方薬と市販薬の「重ね飲み」は危険なのか?
市販薬は誰でも購入できるよう安全に配慮されていますが、医療用医薬品と同じ、あるいは類似した有効成分が含まれています。
そのため、自己判断で併用すると以下のような重大なリスクが生じます。
① 有効成分の重複(過剰摂取)による副作用
最も多いトラブルが、「解熱鎮痛成分(痛み止め成分)」の重複です。
例えば、整形外科や内科で「ロキソプロフェン」や「セレコキシブ」などの痛み止めを処方されている方が、熱っぽさを感じて市販の「総合風邪薬」を併用した場合、風邪薬に含まれる「アセトアミノフェン」や「イブプロフェン」と成分が重なってしまいます。
その結果、必要以上の強い成分を体に取り込むことになり、胃の粘膜が荒れて胃痛や胃潰瘍を引き起こしたり、肝臓や腎臓に大きな負担をかけることになります。
② 持病の治療薬の効果を弱める・強めすぎる
市販の風邪薬や鼻炎薬の中には、鼻づまりを改善するために血管を収縮させる成分(プソイドエフェドリン塩酸塩など)が含まれているものがあります。
これを高血圧や心臓病の治療中の方が服用すると、血圧が急上昇したり、降圧薬の効き目が弱まるリスクがあります。また、緑内障や前立腺肥大症をお持ちの方にとっても、症状を悪化させる成分が含まれていることがあります。
③ 相互作用によってお薬が効かなくなる
例えば、市販の胃薬や便秘薬に多く含まれる「マグネシウム」や「アルミニウム」、「カルシウム」などの金属イオンは、病院で処方される一部の抗生物質(ニューキノロン系やテトラサイクリン系など)と胃の中で結合し、お薬の吸収を著しく妨げて効果を失わせてしまうことがあります。
2. 特に注意したい代表的な組み合わせ
| 処方されているお薬 | 市販薬のタイプ | 起こりうるリスク |
| 処方の痛み止め・湿布 | 市販の風邪薬・頭痛薬 | 解熱鎮痛成分の重複による胃痛・胃潰瘍・腎機能低下 |
| 高血圧のお薬(降圧薬) | 市販の総合風邪薬・鼻炎薬 | 血管収縮成分による血圧の上昇・動悸 |
| 血液をサラサラにする薬 | 市販の解熱鎮痛薬(アスピリン等) | 出血傾向が強まり、胃出血や皮下出血のリスク増 |
| 睡眠薬・抗不安薬 | 市販の風邪薬・酔い止め・かゆみ止め | 抗ヒスタミン作用の重複による強い眠気・ふらつき・転倒 |
3. 市販薬を安全に使うための3つのルール
- 購入する前に「お薬手帳」を提示する
ドラッグストアで市販薬を購入する際は、普段お使いのお薬手帳を提示し、店内の薬剤師や登録販売者に「今飲んでいる処方薬と一緒に飲めるか」を必ず確認してもらいましょう。 - 「総合感冒薬」よりも「単一成分の薬」を選ぶ
風邪薬のように様々な成分が一度に入っている総合薬よりも、「のどの痛みだけ」「熱だけ」といったピンポイントの症状に合わせたお薬を選ぶことで、不要な成分の重複を避けやすくなります。 - かかりつけ薬局へ事前に電話相談する
「家に以前買った市販薬があるけれど、今の薬と一緒に飲んでいいか分からない」という時は、無理に自己判断せず、かかりつけ調剤薬局へお気軽にお電話ください。
4. お薬の飲み合わせ相談はのばら薬局へ
福岡市南区三宅ののばら薬局では、全国すべての医療機関の処方箋調剤だけでなく、患者さまが普段服用されているサプリメントや市販薬を含めた「総合的な服薬一元管理」を行っております。
「週末に急な体調不良で市販薬を併用したい」「家族の薬の組み合わせが心配」など、どんな小さな疑問でも親身にお答えいたします。どうぞ安心してお立ち寄り・ご相談ください。


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