【湿布薬の安全な使い方】痛いからと何枚も貼るのは危険?規定量を超えた「複数枚貼り」でふらつきやめまいが起きる理由と紫外線の注意点

つらい痛みを和らげるために、医療機関で処方された「湿布薬(消炎鎮痛テープ剤・パップ剤)」を活用されている方は非常に多いと思います。

しかし、診察室や調剤薬局の窓口では、このようなお声を耳にすることが少なくありません。
「肩も痛いし腰も痛いから、あちこちに4〜5枚まとめて貼っている」
「貼れば貼るほど痛みが取れそうな気がして、痛い部分全体に隙間なく貼っている」

実は、「湿布は皮膚に貼るだけだから、何枚貼っても体に影響はない」と思い込んでしまうのは大変危険です。

処方される湿布薬は、立派な「医療用医薬品」です。決められた枚数を超えて一度に何枚も貼ってしまうと、体内に薬の成分が過剰に吸収され、めまいやふらつき、急な血圧低下、胃腸障害などを引き起こすケースがあります。

今回は、湿布薬の「複数枚貼り」がなぜ危険なのか、薬剤の過剰吸収によって起こる体の変化や紫外線による皮膚トラブル(光線過敏症)、そして安全に使用するための大切なルールについて、福岡市南区三宅ののばら薬局が詳しく解説します。

目次

湿布薬は「貼るだけ」でも全身にめぐるお薬です

多くの方が「湿布薬は貼った場所の皮膚だけに効いている」と考えがちですが、実際のお薬のメカニズムは異なります。

湿布薬に含まれる有効成分(ロキソプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナク、ケトプロフェンなどの非ステロイド性消炎鎮痛薬=NSAIDs)は、皮膚の表面からゆっくりと浸透(経皮吸収)し、皮下の筋肉や関節組織に届くだけでなく、毛細血管を通って血液中に入り、全身をめぐっています。

つまり、湿布薬を貼るということは、「飲み薬の痛み止めを体に取り込んでいるのと同じような作用が全身に及んでいる」ということなのです。

そのため、1枚であれば安全な範囲に収まる薬剤の量も、3枚、4枚、5枚と広範囲にたくさん貼ってしまうと、飲み薬を過剰に何錠も飲んだ時と同じような状態(過量投与)に陥ってしまいます。

規定量を超えた「複数枚貼り」が引き起こす3つの重大リスク

湿布薬を自己判断で何枚も一度に貼ってしまうと、以下のような健康被害が生じる恐れがあります。

1. 薬剤の過剰吸収による「めまい・ふらつき・急な血圧低下」

最も注意が必要なのが、薬剤が血中に大量に吸収されることによる「めまいやふらつき」です。

消炎鎮痛成分が体内に過剰に入ると、血管の緊張や循環動態に影響を与え、急激な血圧低下や立ちくらみ、頭がボーッとする、足元がふらふらするといった症状が現れることがあります。

特にご高齢の方の場合、この「ふらつき」が原因で自宅内や外出先でバランスを崩し、転倒して骨折してしまう事故が後を絶ちません。

「湿布をたくさん貼った後に、なんとなく体がふらふらする」と感じた場合は、まさに薬剤の過剰吸収による副作用の疑いがあります。

2. 胃痛・胃潰瘍や腎機能への負担

痛み止めの飲み薬を飲むと「胃が荒れる」とよく言われますが、これは痛み止め成分が胃の粘膜を守る物質(プロスタグランジン)の合成を抑えてしまうためです。

湿布薬であっても、血液中にたくさんの成分が吸収されれば、飲み薬と同様に胃の粘膜が弱まり、胃痛、胸やけ、吐き気、ひどい場合には胃潰瘍を引き起こすリスクがあります。

また、腎臓への血流が低下し、むくみが生じたり腎機能が悪化することもあります。

3. 日光(紫外線)で真っ赤に腫れ上がる「光線過敏症」

特定の成分(特にケトプロフェン配合のテープ剤など)を含む湿布薬には、「光線過敏症」という強い皮膚アレルギーの重大な副作用があります。

湿布を貼った部分、あるいは剥がした後の部分に直射日光(紫外線)が当たると、薬剤と紫外線が化学反応を起こし、貼っていた形そのままに皮膚が真っ赤に腫れ上がったり、激しいかゆみや水ぶくれが生じます。

首すじや腕、手首、足首など、衣服から露出する部位に貼る場合は特に注意が必要です。

また、この成分は皮膚の深部に長期間残るため、湿布を剥がした後も最低4週間は直射日光を避ける(衣服やサポーターで覆う、遮光テープを使うなど)必要があります。

湿布薬を安全に使うための正しいルール

湿布薬の効果を安全かつ最大限に引き出すために、以下のポイントを必ず守りましょう。

1. 処方された「1日の上限枚数」を厳守する

医療機関で処方される湿布薬には、添付文書や薬袋に「1日1回、患部に貼る(1日〇枚まで)」といった指示が必ず記載されています。

たとえば「1日2枚まで」と指示されているお薬であれば、同時に貼る枚数は2枚までが限界です。

痛い場所が何箇所あっても、勝手に3枚や4枚に増やしてはいけません。

2. 痛い場所が多いときの賢い対処法

「肩も腰も痛くて、処方された枚数では足りない」という場合は、以下のような工夫が有効です。

痛みの強い中心部分に絞って貼る
漫然と広範囲に貼るのではなく、押して最も痛む「トリガーポイント」を中心に貼ることで、少ない枚数でもしっかりとした効果が得られます。

貼り薬と塗り薬(ゲル・ローション)を使い分ける
関節などの動く部位や日光の当たる露出部には塗り薬を使い、背中や腰には湿布を使うなど、医師や薬剤師に相談して最適な剤形を組み合わせる方法があります。

痛みの性質に合わせて温冷を使い分ける
急なぎっくり腰や捻挫などの炎症があるときは冷やすタイプ、慢性の血行不良による肩こりや腰痛には入浴や温熱シートで温めるなど、薬だけに頼らないケアを組み合わせることも大切です。

福岡市南区三宅ののばら薬局にご相談ください

福岡市南区三宅の「のばら薬局」では、患者様が日常生活の中で湿布薬を安全に正しく使えるよう、丁寧な服薬指導とアドバイスを行っております。

「今使っている湿布は何枚まで貼っていいの?」「貼った後に体がふらふらしたことがある」「日光に当たる場所だからかぶれが心配」など、少しでも気になることがございましたら、調剤時やお電話にて気兼ねなくご相談ください。

また、当薬局では「公式LINE」を活用したお薬相談や処方箋送信サービスも実施しております。

ご自宅にいながら手軽に薬剤師へ相談していただけますので、日々の健康管理やかかりつけ薬局としてぜひお役立てください。

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この記事を書いた人

ひろじのアバター ひろじ PR担当

福岡市南区三宅にある調剤薬局です。
地域の皆様のお薬の服薬をお手伝いさせて頂いています。

近隣病院からの処方箋を多く取扱いしております。
服薬に関しては当薬局にご相談ください。

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