【敬老の日に考える服薬管理】ご家族(高齢者)のお薬、多すぎませんか?多剤併用の危険と薬局でできるお薬の整理術

本日9月21日は「敬老の日」です。

久しぶりにご実家へ帰省されたり、ご高齢のご両親やご家族とお話しされる方も多いのではないでしょうか。

その際、リビングのテーブルの上やキッチンのカウンターに、たくさんのお薬の袋やシートが山積みになっていませんか?

「血圧の薬、コレステロールの薬、膝の痛み止め、胃薬、眠れないときの薬、目薬…」
数えてみると10種類以上のお薬を毎日飲んでいるというご高齢者は、決して珍しくありません。

医療機関ごとに処方されるお薬が増え、重複や相互作用によって予期せぬ副作用や健康被害が生じてしまう状態を、医学用語で「ポリファーマシー(多剤併用)」と呼びます。

実は、ご高齢の方に起こる「足元のふらつき」や「日中の強い眠気」「物忘れ」などの症状は、単なる加齢(歳のせい)ではなく、お薬の飲みすぎ・重なりが原因であるケースが多々あります。

今回は、敬老の日にぜひ知っておきたい高齢者のポリファーマシーの危険性と、「歳のせい」と見過ごされがちな副作用、そしてかかりつけ薬局を活用した安心のお薬整理術について、福岡市南区三宅ののばら薬局が詳しく解説します。

目次

高齢者に増える「ポリファーマシー(多剤併用)」とは?

ポリファーマシー(Polypharmacy)とは、「Poly(たくさんの)」と「Pharmacy(調剤・薬)」を組み合わせた言葉です。
単に飲んでいる薬の数が多いことだけを指すのではなく、「多くの薬を服用することで、副作用のリスクが高まったり、薬同士の悪い相互作用が起きたり、正しく薬が管理できなくなっている状態」を意味します。

厚生労働省のガイドライン等でも、一般的に6種類以上のお薬を同時に服用している場合、副作用の発生頻度が有意に高まることが報告されています。

なぜ高齢になると薬が増えてしまうのか?

高齢になると、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの慢性疾患に加え、変形性膝関節症、骨粗しょう症、白内障、不眠、便秘、頻尿など、複数の病気や不調を同時に抱えやすくなります。

すると、
– 内科で血圧と糖尿病の薬
– 整形外科で痛み止めと湿布、胃薬
– 眼科で緑内障や白内障の目薬
– 脳神経内科や心療内科で睡眠薬
というように、受診する診療科ごとに薬が処方され、気付いた時には全体で何十錠もの薬を飲むことになってしまうのです。

加齢に伴う体の変化とお薬の効きすぎ

「若い頃はたくさん薬を飲んでも平気だったのに、なぜ高齢になると問題になるのか?」と思われるかもしれません。
その理由は、加齢に伴う身体の機能変化にあります。

1. 肝臓や腎臓の働きの低下

お薬は体内に入った後、肝臓で分解(代謝)され、腎臓から尿として体外へ排出されます。
しかし高齢になると、肝臓の代謝機能や腎臓の排泄機能が若い頃の半分近くまで低下していることがあります。その結果、お薬が体内に長く留まり、血中濃度が高くなりすぎて「薬が効きすぎてしまう」状態になりやすいのです。

2. 体内水分の減少と脂肪の増加

高齢者は体内の水分割合が減り、脂肪の割合が増加します。これにより、水に溶けやすい薬は血中濃度が急上昇しやすく、油に溶けやすい薬(睡眠薬や精神神経系の薬など)は体脂肪に蓄積されて効果が翌日までだらだらと長引きやすくなります。

「歳のせい」と誤解されやすい4大副作用

ポリファーマシーで最も恐ろしいのは、薬の副作用によって起きた不調が「もう歳だから仕方がない」「認知症が始まったかもしれない」と見過ごされてしまうことです。

1. 足元のふらつき・めまい(転倒と骨折の危険)

血圧を下げる薬、睡眠導入剤、前立腺肥大症の薬、一部の抗うつ薬や痛み止めなどが重なると、血圧が下がりすぎたり反射機能が鈍くなり、立ちくらみや足元のふらつきが起こります。
高齢者の転倒は大腿骨骨折や頭部外傷につながり、そのまま寝たきりや要介護状態になってしまう大きなきっかけとなります。

2. 物忘れ・ぼんやりする(認知機能の低下・せん妄)

複数の薬が中枢神経に影響を及ぼすことで、急に意識が混濁したり、時間や場所が分からなくなる「せん妄」や、認知症のような強い物忘れが現れることがあります。
「最近急に物忘れがひどくなった」と心配して認知症の検査を受けたら、実は重なっていた薬を整理しただけで頭がスッキリ元通りになった、という事例は医療現場で数多く存在します。

3. 日中の強い眠気・意欲低下

前夜に飲んだ睡眠薬が翌日の昼間まで残っていたり、アレルギーの薬や風邪薬、精神安定剤の作用が重なることで、一日中ウトウトして活動量が落ちてしまいます。

4. 食欲不振・胃もたれ・頑固な便秘

胃を守るために出された薬自体が胃酸を抑えすぎて消化不良を起こしたり、尿トラブルや痛みの薬の副作用で腸の動きが麻痺し、重い便秘を引き起こすことがあります。

一番やってはいけないのは「自己判断での中断・減薬」

「薬が多すぎるのが悪いなら、自分で飲むのをやめよう」と、患者様ご自身やご家族の判断で突然薬を飲むのをやめてしまうのは絶対に避けてください。

急激に薬をやめると、血圧の急上昇による脳卒中や心筋梗塞、不整脈の悪化、強い反跳性不眠など、命に関わる深刻なリバウンド症状が起きる危険があります。
お薬を減らす、あるいは整理するためには、必ず医師の医学的判断と薬剤師による安全な調整が必要です。

かかりつけ薬局ができる「安心のお薬整理術」

お薬の多さや副作用が気になったときは、ぜひ私たち調剤薬局の薬剤師にご相談ください。

1. 複数のお薬手帳の「一元化」と重複チェック

まずは、すべての医療機関のお薬手帳や、現在飲んでいるお薬の現物をそのまま薬局へお持ちください。
薬剤師がすべてのお薬を一覧で確認し、「同じ成分が別の名前で重なっていないか」「互いの作用を強めすぎたり弱めたりする危険な飲み合わせがないか」をプロの目で詳細に精査します。

2. 薬剤師から主治医への「処方見直しの提案(疑義照会・情報提供)」

重複や副作用の疑いが見つかった場合、薬剤師から各病院の主治医へ直接連絡や文書(トレーシングレポート)を送り、「患者様にふらつきが見られるため、こちらの薬の減量や中止を検討いただけないか」と具体的な処方整理の提案を行います。

3. 朝・昼・夕の「一包化(いっぽうか)」サポート

「薬のシートから出すのが大変」「朝と夜で飲む薬が分からなくなる」という方には、飲むタイミングごと(朝食後・夕食後など)に複数のお薬を1回分の小袋にまとめる「一包化」が大変有効です。飲み間違いや飲み忘れを一気に防ぐことができます。

4. 通院が難しくなったら「訪問調剤(在宅医療)」へ

足腰が弱くなって薬局へ通うのが大変になった方には、薬剤師が定期的にご自宅や施設を訪問し、お薬のお届け、残薬の管理、副作用の確認を行う「在宅訪問薬剤管理指導」にも対応しております。

福岡市南区三宅ののばら薬局にご相談ください

福岡市南区三宅の「のばら薬局」では、患者様ご本人はもちろん、ご家族からの「親の薬が多すぎて心配」「最近様子がおかしいけれど薬のせい?」といったご相談をいつでも歓迎しております。

現在服用中のお薬がわかるもの(お薬手帳や薬袋、お薬の現物)をお持ちいただければ、経験豊富な薬剤師がじっくりとお話を伺い、安全なお薬の整理をお手伝いいたします。

また、当薬局では「公式LINE」を活用した事前処方箋送信や服薬相談も承っております。ご家族が遠方にいらっしゃる場合でも、LINEを通じてお薬の状況を気軽に相談していただけます。

敬老の日の今日をきっかけに、大切なご家族の健康と笑顔を守るためのお薬見直しをはじめてみませんか?

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この記事を書いた人

ひろじのアバター ひろじ PR担当

福岡市南区三宅にある調剤薬局です。
地域の皆様のお薬の服薬をお手伝いさせて頂いています。

近隣病院からの処方箋を多く取扱いしております。
服薬に関しては当薬局にご相談ください。

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