調剤薬局として日頃から地域の皆さまの健康をサポートしている中で、夏場に特に心配になるのがご高齢者の熱中症です。
「いつもエアコンを嫌がって…」
「水分をあまり摂らなくて心配」
「暑さに気づきにくくなっているみたい」というご家族からのご相談を多くお受けします。
ご高齢者は体温調節機能の低下や水分感覚の鈍化により、熱中症のリスクが特に高くなります。
だからこそ、客観的な判断材料があることで、ご本人にもご家族にも安心していただけるのではないでしょうか。
そこで今回、「黒球式熱中症指数計」をご紹介いたします。

「黒球式熱中症指数計」は実用性が高く、価格も手頃な熱中症対策グッズ
実際に薬局で検証してみた結果、「お年寄りの熱中症予防に十分活用できる」というのが率直な評価です。
特に、室内での熱中症リスクを客観的な数値で把握できるという点で、ご高齢者やそのご家族にとって大変有用だと感じています。
ただし、医療機器ではないため、精度については「目安」として活用していただくのがベストです。
なぜこの評価に至ったのか、薬局の視点から詳しくお伝えします。
【評価ポイント①】ご高齢者にも分かりやすい仕組み
この指数計は、温度計と湿度計が一体になっており、それらのデータを基にWBGT(湿球黒球温度)という熱中症指数を自動計算してくれます。
室内モードと野外モードの切り替えも簡単で、操作に不慣れなご高齢者でも安心してお使いいただけます。
何より、「なんとなく暑い」という感覚的な判断ではなく、具体的な数値で危険度を確認できるため、ご本人への説得力も高くなります。
【評価ポイント②】室内での熱中症リスクの「見える化」
薬局にご相談いただく中で多いのが、「室内にいるから大丈夫だと思っていた」というケースです。
しかし実際には、室内でも湿度が70%を超えて気温が28度以上になると、あっという間に「警戒レベル」に到達することが分かりました。
感覚では「少し暑いかな」程度でも、数値で見ると既に注意が必要なレベルになっていることがあります。これは特にご高齢者にとって重要な気づきとなります。
【実際の検証結果】わずかな時間で危険レベルに
薬局内で実際にテストしたところ、日当たりの良い窓際では短時間で熱中症指数が「危険レベル」まで上昇することを確認しました。

この結果から、室内であっても定期的な環境チェックの重要性を改めて認識しました。
【留意点①】精度については「目安」として活用
継続的に使用して感じるのは、精度についてはそれほど高くないということです。
同じ環境でも、測定のタイミングによって数値にばらつきが見られます。
ただし、重要だと考えているのは、「熱中症の危険度を察知する」という目的です。
完全な精度よりも、リスクを早期に認識することの方が大切だと考えています。
【留意点②】アラーム機能は補助的に
アラーム機能はありますが、これに完全に依存するのではなく、定期的に数値をチェックする習慣をつけていただくことをお勧めします。
アラームは定期的に鳴ります。
音は4段階になっていて、下記のように分かれています。
- ピッ:注意
- ピピッ:警戒
- ピピピッ:厳重警戒
- ピピピピッ:危険
慣れてくると、音を聞いただけで状態がわかるようになります。
ご高齢者の熱中症予防:総合的なアプローチが重要
強調したいのは、この指数計だけに頼るのではなく、総合的な熱中症対策の一部として活用していただくことです。
併用をお勧めする対策
- 水分補給の習慣化:のどの渇きを感じる前に、定期的な水分摂取
- 経口補水液の常備:発汗時の電解質補給に
- 室温・湿度の適切な管理:エアコンや扇風機の積極的な活用
- 服薬管理の確認:利尿剤などの薬剤がある場合は特に注意
- 体調変化の早期察知:めまい、頭痛、吐き気などの初期症状への対応
この指数計は、これらの対策を「いつ、どのタイミングで強化すべきか」を判断するツールとして活用していただけます。
こんな方・ご家庭におすすめ
特におすすめしたい方
- ご高齢者がいらっしゃるご家庭:室内での熱中症対策として有効
- 客観的な数値で判断したい方:感覚に頼らず、データで判断したい方
- コストを抑えて対策したい方:数千円で熱中症対策ができるのは魅力的
- 在宅介護をされているご家庭:介護者の方の判断材料として
使用時の注意点
- 高精度を求める方には不向き:あくまで目安として活用できる方向け
- 定期チェックが必要:機器に任せきりではなく、習慣的な確認が重要
のばら薬局の評価:価格を考慮すれば十分「推奨」
完璧な機器ではありませんが、価格を考慮すると十分に価値のある健康管理グッズだと評価しています。
特にご高齢者の室内での熱中症リスクを客観的に把握できる点で、ご家族の安心につながると考えています。
熱中症は命に関わる問題です。数千円の投資で熱中症の危険度がわかり、大切なご家族の健康を守れるなら、十分に価値があると判断いたします。

この指数計は、あくまで「目安」として活用し、総合的な熱中症対策の一部として考えることが大切です。
のばら薬局では、お薬の管理だけでなく、皆さまの健康維持に関するご相談も承っております。熱中症対策や健康管理についてもお気軽にご相談ください。
地域の皆さまの健やかな毎日を、薬剤師の専門知識でしっかりサポートさせていただきます。
※商品に関する詳細や最新価格については、購入前にご確認ください。
※本記事は実際に使った担当者の視点からの評価であり、医療機器としての効果を保証するものではありません。
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